おもちゃの軍団からおもちゃ箱を守り抜け! Toy Soldiers 批評

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今回はSignal Studiosが制作したタワーディフェンスゲーム、Toy Soldiresの批評です。

概要

このゲームは元々Xboxで提供されていたゲームのダウンロード販売サービスであるXbox LIVE アーケードで販売されていたされていたソフトで、Xbox LIVEアーケードで過去に発売されていた620個のゲームの中で、売上が歴代20位に輝いた作品です。

内容は見下ろし視点のタワーディフェンスゲームで、プレイヤーは迫りくる敵の軍団から本拠点であるおもちゃ箱を防衛する指揮官となってゲームを進めていきます。

元々Xboxで発売されていたゲームらしく、ゲーム内で表示される操作説明の際にはXboxコントローラーのAボタンなどが表示されるのですが、PC版はちゃんとマウスとキーボードにも対応しております。

特徴

Toy Soldiersという名前の通り、このゲームで登場する兵士や戦車などは全ておもちゃであり、その時代背景は第一次世界大戦の物という設定的に中々奇抜なゲームで、こういったゲームが販売されていたXbox LIVEアーケードは流石マニアが購入するXboxならではと言った所ではないでしょうか。

敵を倒すための兵器には一般的な歩兵に対して有効なマシンガン、敵の集団や装甲持ちの敵に対して有効な臼砲、空中からの敵に対応するための対空砲、戦車や装甲車に効果が高い榴弾砲、歩兵集団に対して高い効力を発揮する化学兵器などを使用することが出来ます。

歩兵はある程度どの兵器でも倒すことが出来るのですが、装甲車などはマシンガンや化学兵器では殆どダメージが通らない為、大砲や迫撃砲での攻撃を行わなければ行けないなど、敵の種類によって最適な兵器を選択して設置する必要があります。

また、兵器は設置するだけではなく自分で使用することも可能で、場合によってはAIの自動操縦以上の戦果を発揮することも出来ます。

自分が操った兵器で敵を倒した場合にはボーナスポイントを獲得することが出来、兵器の設置やアップグレードに必要な資金をより多く取得することが出来ます。

戦闘はウェーブ毎に決まった種類の敵がおもちゃ箱に突撃してくるので、その全てを撃退することがこのゲームの目的です。

良いと感じた点

程よいバランス

タワーディフェンスゲームでは、こちら側が強力になりすぎて敵を圧倒してしまい、リスキル状態になってしまうものや、逆に敵が強すぎて一切の無駄な行動が出来なくなってしまう物がありますが、このゲームはある程度その点に余裕があり、敵が強すぎる、或いは弱すぎるという事は無いように思いました。

そのゲームバランスの実現に貢献しているのが、敵がこちらの防衛するべき対象であるおもちゃ箱まで到達しても、その数がある程度であればセーフである点でしょう。

敵を取り逃しても良い回数は左上の数値で表されて居るのですが、これが0にならなければゲームーオーバーにはならない為、ある程度ガバガバな防衛をしてミスを連発しても、ノーミスクリアを目指しているのでも無ければ大した問題はありません。

また、マップ上に配置した防衛の為の兵器はすぐに別の兵器と入れ替えることが出来ますので、例えばもし敵が空中から来るのに、対空能力のない兵器を設置してしまった、というようなタワーディフェンスゲームでありがちなミスをしても、兵器を入れ替えることですぐに対応することが出来るようになっています。

一部のステージで出現するボスだけは、それがおもちゃ箱に到達すると例えミス出来る回数が残っていたとしても即ゲームオーバーになってしまいますが、それ以外のステージではノーミスにこだわらなければある程度自由に遊んでクリア出来る難易度のゲームとなっております。

もしステージが難しすぎると感じても、難易度の変更はいつでも可能ですので、ゲームが難しすぎて人を選ぶというような面は無い作品かと思われます。

自分も兵器を操作して戦闘に参加できる

マップ上に兵器を設置するだけではなく、その兵器を自分が操作出来るのもこのゲームの魅力の1つです。

使える兵器は自分が設置する物以外にも、スナイパー、戦車や戦闘機、爆撃機などがあり、これらを有効に使うことで戦闘が非常に有利になります。

特に敵戦車に対しては設置した兵器だけでは火力不足になることもある為、自分も戦車を操って戦う事が出来る点はタワーディフェンスゲームが苦手なプレイヤーに対する救済策としても良い部分でしょう。

悪いと感じた点

操作性の悪さ

兵器を操ることは出来るのですが、個々の兵器の操作性はあまり良く無いように思いました。

例えば戦闘機は旋回については問題無いのですが、機首の上げ下げが非常に緩慢で、これはコントローラーでの操作でなければ中々に厳しいものがあるように感じました。

また、戦車は旋回速度や移動速度が非常に遅く、広いステージでは目的の地点に行くまでにかなりの時間がかかったりと、結構もどかしい思いをする事も多々ありました。

時には戦車がマップのオブジェクトにスタックして動かなくなってしまったり、移動できそうな場所に見えない壁があって進むことが出来なかったりと、マップの作り込みはあまりされていないように思えます。

また、一部の戦車は上下方向への射角制限が厳しく、特に上方向には殆ど砲塔を向けることが出来ない為、マップ上にある窪みのような場所を利用して車体を斜め上に持ち上げる必要がありました。

こういった特徴は戦車ゲームなどに良くありますが、このゲームはタワーディフェンスがメインのゲームですので、わざわざ操作性が悪くなるような調整をしない方が良かったのでは無いかなと個人的に思います。

乗り物操作中の不便さ

このゲームはタワーディフェンスゲームですので、敵を迎撃するための兵器を設置し、徐々にその性能をアップグレードしていく必要があります。

ですが、このアップグレードが乗り物を操作することが出来るというこのゲームの特徴とあまり噛み合っていないように思いました。

理由としましては、他の兵器のアップグレードは乗り物の操作中には行えなくなってしまうからです。

その為、兵器のアップグレードの為には一旦乗り物の操作をやめなければ行けないのですが、戦闘機などの飛行兵器は操作中に操作をやめるとそのまま墜落してしまい、その後の使用にはクールタイムを挟まなければいけません。

戦車の場合は墜落はしないのですが、その代わりという事なのか10秒の制限時間が存在し、それが終わるまでにアップグレードを終わらせてもう一度戦車の操作を再開しなければ、戦車は爆破して最初の待機地点に戻ってしまうと言う妙な仕様になっています。

これが非常に煩わしく、兵器のアップグレード作業が無駄に面倒になってしまっているように感じました。

特に広いマップでは、戦車の操作をやめてから遠くにある兵器のアップグレードを行い、また戦車の場所までカメラを戻して操作を開始するということを10秒以内にやらなければ行けない為、敵との戦闘とは関係のない場所で難易度が上がってしまっていると思います。

ミニマップが無い

このゲームはタワーディフェンスゲームでありながら、全体の状況を一目で把握できるミニマップのような物が存在しません。

その為、自分が今どこにどんな兵器を設置しているのか、そのレベルはいくつなのか、敵はどの方向から攻めてきており今どこまで来ているのか、などという情報を全てカメラを動かして自分の目で確かめなければいけません。

これが非常に面倒で、例えば敵に自分の兵器が破壊された時などは、設置した兵器の場所を一つ一つ確認してどの兵器が壊されたのかを確かめなければいけません。

また、稀に敵の歩兵がオブジェクトなどに引っかかって、ずっと同じ場所に留まっている時などがあるのですが、このゲームは敵を全て倒さなければステージがクリア出来ないので、その際にはマップを隅々まで見回して、小さな歩兵を見つけて倒さなければいけなくなってしまいます。

正直この仕様は面倒を増やしているだけに感じますので、少し残念に思いました。

まとめ

アクション ☆☆☆

タワーディフェンスゲームの基本的な事は出来ますし、兵器を自分で操作できると言う点は良いのですが、実際に操作してみると上記の他の兵器のアップグレードのやり辛さなどで操作性が若干悪く、これがこのゲームの魅力につながっているかと言われると少し疑問に思います。

寧ろステージをクリアする為に兵器を自分で使わなければいけない時などには、その操作性の悪さを否が応でも体感することになりますので、煩わしさが産まれてしまう原因に感じてしまいました。

ストーリー ☆

一応設定上はドイツ軍と連合軍の戦いということになっているらしいですが、どのステージでもやることはほぼ変わらず、ゲームプレイ時にストーリーを感じれる部分は殆どありませんでした。

このゲームでは、ストーリーはあくまでもおもちゃを使った遊びの設定と言う程度でしか無いでしょう。

音楽 ☆☆

敵が迫りくるときのラッパの音やボスが出現したときの音楽等は印象に残っておりますが、それ以外の部分では普段はBGMが鳴らないゲームという事もあって、印象に残るような音楽というものはありませんでした。

一応タイトル画面では歌が流れておりますが、一瞬のことですのでこちらも印象に残るほどではありません。

品質 ☆☆

敵や戦車がオブジェクトに引っかかって動かなくなってしまう事や、ミニマップが無い事、更に戦車を操作していると爆発音や射撃音などの効果音が消失してしまうなど、あまり品質が良いとは思えませんでした。

総評点数 40/100

ゲーム本体の値段が980円と1000円以下である事を考えれば、値段分は間違いなく楽しむことが出来る為、点数ほど悪いゲームでは無いと思いますが、2018年の今プレイするゲームとしてはもう一声何か楽しめる要素が欲しい所です。

ゲーム全体はある程度まとまっているとは思いますが、悪く言うと内容が殆ど同じで、ステージ毎の大きな変化というのがボス以外にはあまり無く、長時間プレイしていると少し苦痛に思う場面もありました。

オークマストダイのようなクオリティの高いタワーディフェンスゲームが同じ値段で存在している今、敢えてこちらを購入する理由は乏しく、第一次世界大戦という珍しい題材のタワーディフェンスゲームとして見れば、購入する価値が見出だせるかなと言った印象です。

そこそこ遊べるミニゲームとしての購入でしたらオススメ出来ますが、ガッツリ大作を遊びたいという方には少しオススメし辛い作品に思います。

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