【雑記】シェンムー3 突如Epic Gamesストア独占販売を発表 クラウドファンディング出資者からは批判も

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カルト的な人気を誇る名作ゲーム「シェンムー」シリーズの3作目となる「シェンムー3」が、突如Epic Gamesストアでの独占販売を発表し、ユーザーの間で話題になっております。

シェンムー3はクラウドファンディング支援サイト「Kickstarter」にて、開発資金の出資を募っておりましたが、その際にはEpic Gamesストアでの独占販売になる事を明かしていなかったこともあり、コメント欄では今回の決定について批判の声も上がっています。

今回はその件に付いて見ていきたいと思います。

最初はSteamで発売する方向だった

シェンムー3は「Kickstarter」にて支援の受付を開始した当初はSteamでの発売を想定しており、既にSteamにはシェンムー3のページが作成されるなど、恐らくKickstarterで出資を行った殆どの方はシェンムー3がSteamで発売されることを疑わなかったと思われます。

Steam上に存在しているシェンムー3の製品ページ。2019年6月現在ではまだアクセス可能。

また、シェンムー3のクラウドファンディングは一定の金額を出資することで、ゲームの製品版であるPS4またはPCのダウンロード版を受け取る事が出来たのですが、その際に出てくるプラットフォームの選択肢にははっきりと「(Steam)PC ダウンロード版」と明記されていたので、今回の突然のEpic Gamesストアでの独占販売の発表は出資者にとってはより一層ショッキングに受け止められたのだと思います。

https://shenmue.link/order_jp/

インターネット掲示板5chのスレッドに貼られた画像。PC版はSteamクライアント上で動作する旨がはっきりと明記されている。

その為か、現在Kickstarterのシェンムー3のページでは、そのコメント欄に批判的な内容を書き込む方が多数出ており、通常は和気あいあいとした好意的なコメントが寄せられるクラウドファンディングとしては異常事態になっております。

Just a moment...

Steamで出すという事を含めて出資をした方も居る事を考えれば、今回の決定にこうした反発の声が上がるのも無理はないと思いますね・・・。

何故Epic Gamesストア独占販売になったのか

Kickstarter上にて示された、今回の決定に至った過程についての公式見解によると、Epic Gamesストアに独占販売が決まったのは、シェンムー3の開発に使用されているゲームエンジン「Unreal Engine 4」が原因との事です。

「Unreal Engine 4」はEpic Gamesにより開発されたゲームエンジンで、1998年にFPSゲーム「Unreal」で初めて実装されてから、2019年の現在までにバイオショックやミラーズエッジなど、数多くのゲーム開発で採用されてきた「最も成功したゲームエンジン」としてギネス世界記録を持つほどの、非常に高いクオリティを持つゲームエンジンです。

シェンムー3はこの「Unreal Engine 4」を使用した開発を行う過程でEpic Gamesから支援を受けており、クライムアクションゲームの「セインツロウ」やFPSゲーム「Metro」などの権利を持ち、日本製ゲームの海外配給を行うパブリッシングパートナーとしてグローバル・パブリッシング契約を結んでいるDeep Silverと協議した結果、「PC版をプレイヤーに最も楽しんでもらうベストな配信先」として、今回のEpic Gamesストア独占販売を決定したとの事です。

Epic GamesストアとSteamの違い

この決定には、単純にクラウドファンディングを行う際に発表していた内容と異なる部分があるという問題がありますが、もう一つの問題は本当にEpic Gamesストアは公式が語るような「PC版をプレイヤーに最も楽しんでもらうベストな配信先」なのかという点でしょう。

開発側から見た場合、Epic GamesストアとSteamの最大の違いはその手数料です。

Epic Gamesストアの手数料が12%なのに対して、Steamの手数料は売上1000万ドルまでは30%、5000万ドルまでは20%となっており、少しでも収益を上げたい企業からすればEpic Gamesストアで販売した方がお得であることは間違いありません。

ですがユーザー側から見た場合、Epic Gamesストアのサービスは必ずしもSteamよりも良い物とは言えません。

Epic Gamesストアが低い手数料でやっていけるのは、そのサービスの少なさが理由であり、ユーザーが欲しい機能が未だに実装されていない現実があります。

例としてはEpic GamesストアにはSteamのような複数のゲームを一度に購入したい際に利用できるカート機能が存在しない為、Epic Gamesストアでは欲しいゲームが3つあったとすれば、ゲームを検索→販売ページを開く→購入の手順を3回繰り返さなければいけません。

また、Steamのようなゲームをプレイしたユーザーからのレビュー一覧なども無く、販売ページを開いた際には、それが実際にはどの様なゲームなのかが分かり難い欠点もありますし、Steamで用意されているようなフォーラムもEpic Gamesストアには実装されていません。

最近ではインターネットに接続していなくてもゲームが遊べるようにオフラインモードが実装されるなど、Epic Gamesストアの機能も徐々に改善されて来てはいるようですが、未だにSteamと比べるとEpic Gamesストアはサポート面が弱いという印象は否めません。

こういった点を見ると、現状のEpic Gamesストアを「PC版をプレイヤーに最も楽しんでもらうベストな配信先」と言い切れるのかは少し疑問に思います。

過去にもあったEpic Gamesストア独占販売への強引な変更

実は今回のシェンムー3のように、Steamで発売が決定されていたものが突然Epic Gamesストアでの独占販売に変更されるという事件は今回が初めてではありません。

過去にはFPSゲーム「メトロ」シリーズの一作である「メトロ エクソダス」のPC版が、Steamでの発売直前にEpic Gamesストアにて1年間の時限独占販売に変更された事もあり、その時も今回の件と同じ様に、多数のユーザーから批判の声を受けました。

そしてこの「メトロ エクソダス」と今回の「シェンムー3」には、どちらもDeep Silver(Koch Mediaのゲーム部門)が販売に関わっているという共通点があるので、今回のシェンムー3に関する決定も、Deep Silverの意図が大きく関与したのかもしれません。

今後シェンムー3の開発陣が返金などに応じるかどうかが気になる所ですが、今回は「メトロ エクソダス」の時とは異なり出資者から資金提供を受けるクラウドファンディングを用いたゲームでのEpic Gamesストア独占販売騒動という事で、実際にお金を払っていたユーザーからの反発は前回の時以上に厳しくなると予想されます。

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