【ゲーム批評】海を舞台にしたバイオテロの真相に迫れ!バイオハザード リベレーションズ(Steam版)批評

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今回は、Steam版のバイオハザード リベレーションズをクリアしましたので、その感想を書いていきたいと思います。

内容は本作のネタバレを含みますので、未プレイの方はご注意下さい。

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キーボード・マウスで遊ぶ方は最初に加速機能をオフにすることを推奨

本作はSteam版である為、コントローラーの他にキーボード・マウスにも対応しています。

ただ、キーボード・マウスで遊ぶ場合は、デフォルトでマウスの加速機能がオンになっている為、最初にオプションからこの設定をオフにしておくことを推奨します。

また、照準アシスト機能もデフォルトではオンになっている為、煩わしく感じる場合はこちらもオフにしておきましょう。

概要

この作品は2023年現在に到るまで新作が発売され続けている人気ホラーアクション作品「バイオハザード」シリーズの外伝的な作品です。

外伝と言ってもキャラクターにはジルやクリスなど、初代バイオハザードで活躍したメインキャラクターも登場し、単なる番外編的な外伝作品ではなくしっかりと本編の流れに絡んだストーリーとなっております。

ストーリーの内容としては、テロリスト集団「ヴェルトロ」が起こした新型ウィルスを使ったバイオテロを巡る事件を調査していたクリス・レッドフィールドが失踪し、その救出のためにジル・バレンタインと、本作から登場したキャラクターのパーカー・ルチアーニが、クリスが捕まっているとの情報が入った無人の豪華客船「クイーン・ゼノヴィア」に向かい、クリスの失踪やヴェルトロが起こしたバイオテロの裏に潜む事件の謎を追う、という物です。

本作の内容はシリーズの時系列的には4と5の間に起きた出来事とされており、5で活躍するB.S.A.A.の成り立ちについても描かれています。

バイオテロが発生してそれを主人公たちが解決しに行くという、バイオハザードシリーズ恒例の大まかな流れは同じですが、本作はメインとなる舞台が海上の豪華客船という特殊な環境であることから、敵キャラクターやギミックなどもそれに関係した物になっているのが特徴です。

Steam版は3DS版の移植+追加要素

本作は元々任天堂の携帯ゲーム機である3DS対応ソフトとして発売された作品であり、Steamで遊べるのはその移植版となります。

Steam版はただ単に3DS版をPCでも遊べるようにしただけではなく、全体的なグラフィック向上の他、3DS版には無かったキャンペーンの高難易度モードや新規の敵キャラクター、後述するレイドモードで使用できる新キャラクターなどが追加されており、3DS版と比べると完全上位互換とも言える内容になっています。

基本システムはTPSとタッグ制

バイオハザードシリーズは初代の様な固定カメラ+ラジコン操作でゲームを進める作品と、4の様なキャラクターの肩越し視点(TPS)でゲームを進めるの作品の2つが存在し、各作品ごとにゲーム性が大きく異なる特殊な作品ですが、本作ではTPSが採用されています。

ただTPSバイオハザードシリーズの始まりとなったバイオハザード4の様に、複数の武器を収納できるアタッシュケースや武器購入などのシステムはキャンペーンには存在せず、一度に持てる武器は最大で3つまで、それ以外の武器は「アイテムボックス」に格納し必要に応じて装備を切り替えるシステムになっております。

 

また、バイオハザード4には武器を改造して性能を向上させるシステムがありましたが、本作の武器改造は入手したカスタムパーツを付け替えるシステムの形で実装されており、武器の短所を補ったり逆に長所を更に伸ばして特化させる様なカスタマイズ性は本作でも健在です。

武器やカスタムパーツはマップから拾う方式になっており、マップを探索する事の重要性も増しています。

また、5や6の様な主人公二人がタッグを組んで戦闘を行うシステムは本作にも採用されており、戦っている際にはもう一人の味方が援護してくれますが、フレンドとの協力プレイが可能なのは後述するレイドモードのみで、キャンペーンモードは完全に一人プレイ専用となっております。

スキャンでアイテムを入手

本作では「ジェネシス」というバイオスキャナーを使用して、回復アイテムや隠しアイテムを入手する事が出来ます。

バイオスキャナーはスナイパーライフルタイプの武器と同様に、構えると一人称視点になり、対象に照準を一定時間合わせてスキャンを行うことが出来ます。

敵をスキャンした場合は調査ポイントが貯まり、これが100%になると回復アイテムを1つ入手出来、マップの調査スポットをスキャンした場合はその場所に弾薬や回復アイテムが出現します。

キャンペーンモードでは銃弾や回復アイテムはそれほど多くは手に入りませんが、このバイオスキャナーを上手く使い貴重なアイテムを補充していけば、戦闘を有利に進める事が出来ます。

悪いと感じた部分

非常に内容の薄いエピソードがある

本作のストーリーは複数のエピソードで構成されているのですが、このエピソードが場合によっては少し移動してムービーを見たり、数匹の敵を倒すだけで終わってしまう様な尺が非常に短い物もあり、クリアしても達成感の薄い物があった点が気になりました。

 

 

バイオハザードはストーリーも魅力の一つで、本作ではそのストーリーがムービーで語られる場面があるのですが、これらのムービーはエピソードの始まりと終わりに挟まれる事が多い為、短いエピソードを引いた際にはゲームを操作する時間よりも連続でムービーを何度も見る事になり、没入感が削がれる様に感じました。

できれば各エピソードの長さは一定量のプレイ内容を保ち、ゲームの操作時間とムービーを見る時間の配分バランスを良くして欲しかったですね。

スキャンでのアイテム探しに手間が掛かる

バイオスキャナーで敵をスキャンして回復アイテムが増える点については、戦闘中にスキャンで無防備になる事のリスクとその対価として回復アイテムが受け取れる関係があり、面白い要素だと思います。

一方、マップ上の隠しアイテムを入手する為のスキャンについては、普通のアイテムがわざわざスキャンで探す手間が掛かる様になっているだけに感じてしまい、あまり面白い要素とは思えませんでした。

 

スキャンで見つけられる隠しアイテムの類は、銃のカスタムパーツの様な貴重なアイテムのみに限り、弾薬の様なアイテムは普通にマップ上に配置して、スムーズにゲームを進められる様にして欲しかったです。

敵に近寄られると対処が難しい

本作に登場する敵の殆どは特定の部位に攻撃を受けるか、一定量のダメージを与えるまでは大きく吹っ飛んだり、倒れてその場で動きを止める様な事が無い所謂スーパーアーマー状態である上に、自キャラの移動速度が割りと遅い為、敵に至近距離まで接近された際に再度距離をとって仕切り直す手段が限られている点が気になりました。

例えばナイフと体術が非常に強力だったバイオ4では、敵に接近を許してもそれらを駆使して窮地を脱する事が出来たり、バイオ6ではキャラクターが飛び退いて敵の攻撃を避ける緊急回避があった為、敵に接近されても対応は比較的楽でした。

一応本作でも緊急回避や体術は存在しますが、緊急回避については発動条件が敵からの攻撃を受ける直前に前進移動又はクイックターンを行う、というカウンター的な物で少し難易度が高く、体術も最大まで溜めれば相手を吹き飛ばし、大きなダメージを叩き出せる一方で、敵の特定の部位を攻撃してダウン状態にしなければ発動出来ず、更に溜め動作中は無防備になり時間も掛かるなど、上記のバイオ4やバイオ6とと比べるとそれほど使い勝手は良くない印象を受けました。

本作の体術や緊急回避は使いこなせれば強力ですが、できればもう少し使いやすくして欲しかったですね。

良いと感じた部分

ホラー要素をしっかりと感じられる

バイオハザードシリーズはTPSゲーム要素を加えてアクション性が飛躍的に向上した4以降は、従来のホラー要素はあまり前面に出て来ない作品になっている様に感じましたが、本作ではTPSゲームとしてのアクション性は保ちつつ、従来のバイオハザードらしいゾンビ物のホラーゲームとしての魅力も十分に感じられる作品になっていました。

グロテクスな敵の姿と痙攣する様な奇妙な動きでプレイヤーに襲いかかり、時には不気味な言葉を発する本作のゾンビや、廃墟と化した豪華客船内部の陰鬱な雰囲気のクオリティの高さからは、本作がホラー要素にも力を入れて作られている事が感じられます。

特にゲーム中盤のボスとして登場するウィルスに感染した捜査員のレイチェルは、本作のホラー要素を象徴する存在であり、その戦闘ではバイオハザードらしいウィルスで怪物と化したクリーチャーとの戦いの恐怖と緊張感を存分に味わうことが出来ます。

本作の開発がインタビューにて語った所によると、本作はバイオハザード的な「サバイバルホラーへの原点回帰」を目指して作られたらしいのですが、その目的は十分に達成されていると言えるでしょう。

音声まで含めた日本語対応

バイオハザードシリーズは基本的に日本語には対応してくれていますが、字幕やアイテムなどのテキストのみが日本語で、キャラクターが発する音声は英語である場合が多いです。

しかし、本作は音声まで含めて日本語に対応している為、キャラクターのやり取りは全て日本語で行われ、プレイヤーは字幕を読むこと無く画面に集中する事が出来ます。

また、本作は敵であるゾンビも言葉を発する様になっている為、日本語音声である事でその不気味さがよりプレイヤーに伝わりやすくなっている様に感じました。

プレイヤーを飽きさせない作り

ストーリーは海外ドラマを意識した様な作りになっており、各エピソードごとにキャラクターの視点が変わりながら物語が進行していきます。

キャラクターの視点が変わると自分が操作するキャラクターも変化する為、徐々に事件の真相に迫っていくストーリーを楽しみつつ、プレイヤーは操作キャラクターごとに別の時間軸の別の場所での出来事を体験する事になります。

また、本作の舞台となる豪華客船内はただの船ではなく、通常の居住フロアや豪邸のような場所、浸水した下部区画や隠された研究施設などの様々な施設を内包している他、登場する敵キャラクターもそれぞれの場所ごとに適した物が用意されているなど、画面の変化に乏しい単調なゲームプレイになることを避け、ゲームクリアまでプレイヤーを飽きさせない様に考慮した作りになっている印象を受けました。

元々は携帯ゲーム機である3DSのゲームなので、使用できるデータ容量に限りがあった事を考えると、ムービーやキャラクター、武器などがこれだけの数用意されている事には、開発の並々ならぬ努力を感じます。

本編顔負けの面白さを誇るレイドモード

本作はエピソードをクリアするごとにそれに対応したレイドモードのステージが開放されていきます。

このレイドモードはキャンペーン進めた方専用のおまけモードではあるのですが、このモードはキャンペーンであった様な謎解きや探索などを廃して、出現する敵を倒してゴールを目指すという戦闘重視のモードになっており、更には自身のレベルを上げつつ強力な武器やカスタムパーツを報酬として獲得し、それを用いて更に高難易度のステージに挑んでいくハクスラ要素もあり、このモードだけでも一つのゲームとして十分に通用するクオリティとなっております。

特にこのモードで面白いのがカスタムパーツによる銃の魔改造で、強力なパーツを使えば一撃必殺の高威力を放つマグナムを、マシンガンの様に連射することすらも可能になります。

カスタムパーツは報酬として出てくるパーツがランダムという事もあって、強力な物を手に入れる為にはそれなりの周回が必要ですが、その分やりこみ要素として楽しめるモードになっています。

個人的には現在では他のバイオハザードシリーズでお馴染みの人気モードとなっている、一定時間内にどれだけの敵を倒してスコアを伸ばせるかを競うマーセナリーズよりも、こちらのレイドモードの方が落ち着いて長く遊べる点で優れている様に感じました。

まとめ

ストーリー ☆☆☆

本作は外伝的な作品ながら、巨大な街や客船が破壊される様なスケールの大きい題材を扱っており、その裏で起きている真相に迫っていくストーリーには最後まで引き付けられるものがありました。

ただ、基本的にはバイオハザードシリーズらしいバイオテロ発生→舞台が怪物の巣窟化→主人公たちが解決、という流れを踏襲するものでもある為、タイトルにリベレーションズ(真実)という言葉が入っているにしては、バイオハザードシリーズを遊び慣れた方からすれば特に新鮮味は無いストーリーである様にも感じました。

アクション ☆☆☆

TPSゲームとしては一通りの事が可能な堅実な作りになっていますが、体術や緊急回避などは他のシリーズ作品と比べてそれほど派手ではなく、操作していて楽しいかと言われると少し微妙に感じました。

ただ、一部のシリーズ作品で批判されている様な過度なQTE要素が無く、そのシンプルな遊びやすさによってバイオハザードシリーズの中でもかなりとっつきやすい作品になっている様にも思います。

音楽 ☆☆☆☆

本作のBGMは不気味なシーンでは静かに、緊張感のあるシーンでは盛り上がり、状況に適した物が選ばれている様に思いました。

また、敵のうめき声やキャラクターボイスから、船が軋む音や銃の射撃音の様な効果音にも力を入れている部分が感じられ、ホラーゲームとアクションゲームの両面でその臨場感の演出にとても貢献している印象を受けました。

品質 ☆☆☆☆

通常のゲームプレイの範囲では進行不可になるようなバグは無く、ゲーム自体がクラッシュする事もありませんでした。

2012年に発売した作品ではあるものの、2023年現在のゲームと比べても遜色ない程にマップは作り込まれており、エピソードの節目でのボス戦も複数用意されているなど、外伝だからといって手を抜いて作られた様な部分は無く、最後までプレイヤーを楽しませてくれる作品である様に感じられました。

総評 70/100点

ホラー要素とアクション要素が良い塩梅で感じられるキャンペーンに、戦闘要素のみを存分に体験できるレイドモードも用意されている為、バイオハザードシリーズのファンの方だけでなく、バイオハザードシリーズをあまりプレイしたことが無い方に対してもオススメできる作品だと感じました。

元々が3DSという事もあり、少しグラフィックが荒く感じる部分や、ボリューム不足を感じる点はありますが、基本的な値段が3000円弱であり、セール時には更に安くなる事も考えれば、十分に元が取れるのと思います。

最近はバイオハザード4のリメイク版が発売され、バイオハザードシリーズが再び盛り上がりを見せていますが、こちらのリベレーションズも面白い為、まだプレイしたことが無い方は是非購入してみて下さい。

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