今回は現在Xbox GAME PASSに来ているFPSゲーム「Isonzo」を少しプレイしてみたので、その感想を書いていきたいと思います。
WW1を舞台にしたマルチ対戦型のリアル系FPS
本作「Isonzo」は第一次世界大戦(WW1)を舞台に、当時の戦場を体験をモデルにしたマップで争う20対20のリアル系FPSです。
ルールはBF2042のブレークスルーやラッシュを合体させた様な内容で、攻撃側は敵陣に爆弾を仕掛けて起爆したり、一定時間占領することで敵陣を突破していく事が目的の攻撃側チームと、それを阻む防衛側チームに分かれて戦闘が行われます。
戦闘は攻撃チームが全ての敵陣を突破するか、或いは攻撃チームのチケットがゼロになるまで続きますが、BFシリーズのブレークスルーやラッシュと比較して攻撃側が突破しなければならない地点が多い為、長い場合だと決着がつくまで50分近くも掛かるという、まさにゲーム性を現実に寄せたリアル系らしい部分を感じさせてくれる仕様になっておりました。
WW1が舞台という事もあり、使える武器は基本的に1発撃つごとに装填が必要なボルトアクションライフルで、一部の兵科のみ連射が可能な武器を使うことが出来ます。
リアル系のゲーム性に丁度良く入れられたカジュアル要素
リアル系FPSはとことんリアリティを追求するがあまり、兵士が持っている残弾や味方の位置、ミニマップなどの情報が画面に存在しない物も珍しくありませんが、本作はリアル系でありながらもそうした最近のBFシリーズにある様なカジュアルな要素はキチンと用意されており、あまりリアル系の作品に慣れていない自分にもとっつきやすいゲームに感じました。
今何処に行って何をすれば良いのかをかなり分かりやすく示してくれる為、リアル系FPSにありがちな初心者が何をすれば良いのか全く分からない問題も本作では心配する必要はないでしょう。
また、本作ではBFシリーズの様に各役割ごとに兵科が分かれているだけでなく、それぞれの兵科にリアル系ではまず無い様な特殊なスキルを装備させる事も可能で、この辺りのシステムが採用されている点も一般的なリアル系FPSとは一線を画す本作ならではの要素であると思います。
ただ、戦闘面に関してはしっかりとリアル系のそれであり、殆どの場合1発でも撃たれれば即死、先手を取る為に索敵が非常に重要、などリアル系FPSとしての魅力である緊張感のある戦闘も十分に体験することができます。
各兵科にはライフル兵以外は人数制限があり、強い兵科はゲームに既に慣れているベテランプレイヤーがすぐに埋めてしまうので、自分は専ら人数制限の無いライフル兵や、ボランティア的な側面があるのか使用する人が少なかったエンジニアばかり使っていました。
一応遊べる程度に人は居る
こうしたリアル系FPSは日本ではプレイヤーが少ないせいか総じて過疎りやすく、本作でもオンラインに十分なプレイヤーが残っているか少し不安でしたが、自分がプレイした2024年6月の時点では1つのサーバーが満員になる時間帯がある程度にはプレイヤーが存在していました。
本作はプレイヤーが足りない場合は空いた枠をBOTで埋めるようなので、サーバーに集まっているプレイヤー数が最大の40人に満たない場合でも過疎を感じる事は殆どありませんでした。
しかし今後は人口が維持されるかは不安ですので、遊ぶ際には今回の様なサブスクサービスを利用した方がお財布に優しいと思います。
武器や兵科の格差
本作では各兵科ごとに使用できる武器が幾つか用意されているのですが、初期で使える物以外は基本的にアンロックが必要になっています。
アンロック作業はまず各兵科のレベルを一定まで上げるとアンロックの為のチャレンジが開放され、そのチャレンジを達成すると武器がアンロックされるという中々に面倒な仕様となっており、数時間程度プレイしただけの自分では、数個の武器しかアンロックすることができませんでした。
初期状態ではグレネードすらアンロックされていない為、既に武器をアンロックしたプレイヤーとそうでないプレイヤーとの間で結構な格差が生じてしまっていると思いました。
また、兵科にも格差が存在し、メイン武器が連射できる威力の高いリボルバーであり、空爆を要請することが可能なオフィサーと、唯一スコープ付きの武器を扱うことが可能で、アイアンサイトでは見えない程の超遠距離から一方的に相手を攻撃できる狙撃兵が非常に強く、この2つの兵科を使っているプレイヤーがどれだけ有能かで勝敗が決まっている様に感じる場面もあり、対戦ゲームとしてのバランスはお世辞にも良いとは言えない出来です。
特に本作のスナイパーライフルは近年のFPSゲームの様にスコープが光ったりしない為、本当に何処から攻撃されているのか全く分かりませんでした。
リアル系FPSはカジュアルFPS以上にバランスが崩壊しがちなので、本作が特別酷いという訳ではありませんが、できれば武器アンロックの仕様だけはもう少し進めやすい内容にして欲しかったと思います。
ゲームに慣れてくると戦術の幅が広がる
前述した様な不満点は幾つかあるものの、ゲームとしての奥の深さはBFシリーズや他のリアル系FPSにも負けていないと感じます。
敵の進軍方向の側面を突きやすい様に有刺鉄線を設置して敵を立ち往生させたり、固定機銃や迫撃砲を上手く使って敵を一掃したり、リスポン地点や橋を設置して攻撃への足掛かりを作るなど、ゲームの仕様やマップを覚えてそれらを利用して戦うと、リアル系故の体力の低さも相まって面白い様にキルが取れて敵の進軍が止まったり、防衛網を破壊して敵陣を突破するきっかけを作ることが出来るなど、自分の力で戦局を変えれる様な動きを稀にすることが出来たのが楽しかったです。
エイムがうまい人が強いというFPSの基本的な部分は本作でも変わりませんが、真正面から戦うだけでなく、様々な選択肢が用意されているのが本作の魅力である様に感じました。
まとめ
個人的にはリアル系でありながらも基本的なゲーム性は割と受け入れやすく結構楽しめたのですが、武器や兵科の格差は辛く感じる時がありましたし、一部のマップでは高低差によって防衛側が非常に有利な地形になっている為に突破がかなり難しい場面もあり、やはり全体的にバランスの悪さが目についてしまうのが残念な点でした。
また、本作は日本語に対応してくれてはいるものの、各兵科ごとの詳しい使い方の説明やチュートリアルなどがゲーム内には殆ど無い点も気になります。
総じて面白い部分は確かにあるのですが、それ以外の粗も目立つ惜しい作品という印象のゲームでした。
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