【アニメ感想】刻刻

スポンサーリンク

今回はアマゾンプライムで視聴することが出来るタイムストップサスペンス作品「刻刻」の感想を書きたいと思います。

内容はネタバレを含みますので、まだ視聴していない方はご注意下さい。

時間の止まった世界での戦い

簡単に本作のストーリーを説明しますと、就活に苦戦する主人公の佑河樹里は、就職活動が中々上手くいかず、家に帰れば無職の兄の翼と、リストラになった父の貴文、シングルマザーになってしまった妹や、その息子であり主人公から見ると甥にあたる真を見て、家族への愛情が日々薄れ、速くこの家から出たいという気持ちが強くなっていました。

そんなある日、保育園に通う真と、それを迎えに行った翼が何者かの手によって誘拐され、主人公たちは突然の自体にパニックに陥ります。

犯人からの身代金の要求に従い、指定された受け渡し現場まで行こうとする樹里と貴文を引き止めた樹里の祖父である「じいさん(本名不明)」は、家宝の石の力を使って、時間の止まった世界に移動する「止界術」を使い、真と翼を救出しようとします。

自分たち以外は何もかもが停止した世界の中を移動し、犯人達が身代金の受け渡し場所として指定したアパートの一室に辿り着いた主人公たち一行は、石を狙って止界に入り込んできた宗教団体「真純実愛会」(以下:実愛会)のメンバー達に襲われ、そこから止界術を使用する為に必要な石をめぐる戦いが始まる、というのが本作の大まかな流れです。

視聴者を飽きさせない引きのうまさ

この作品は巧みなストーリー展開によって、一旦見始めた視聴者を最後まで離さずに惹きつける魅力があります。

1話ごとに毎回何らかの新しい展開があり、話の終わり際には次回に向けて上手く謎やピンチを残し、それが次々に明らかになったり解決されたりするので、中だるみする無駄な回というものが無く、非常に洗礼されたシナリオであるように感じました。

他にもシリアス一辺倒ではなく、登場人物達によるギャグシーンも適度に盛り込まれ、これが作品の緊張感を上手く緩和させており、視聴者が疲れてしまうのを防いでいる点もポイントが高いです。

特に止界で動けない人々を殺そうとすると出てくる神ノ離忍(カヌリニ)という化物の初登場シーンはとても衝撃的で、その恐ろしい外見と後に判明する元は人間という事実によって、この作品の世界観を視聴者が徐々に知っていく為の良い舞台装置になっていると思います。

逃げ回る前半から一転してバトル物になる後半

物語の前半は主人公である樹里達が、石を狙う実愛会のメンバーから追いかけられ、その際には祖父の使う瞬間移動能力で逃げ回る展開が続くのですが、中盤で樹里が相手を止界から追い出す術に目覚める辺りからは作品がバトル物としての面が強くなり、この作品のラスボスとなる実愛会のトップの佐河が、神ノ離忍(カヌリニ)化した辺りからは更にバトルシーンが多くなっていきます。

日常的な風景の中で、化物になった敵相手に戦うというのは寄生獣のバトルシーンのような面白さがあり、ラスボスである佐河の強大さもあってハラハラする展開が続いてとても見所があります。

主人公がただの一般人の割には命を狙われている状況でもほぼ全く臆さずに、祖父を助けるために自分だけが止界に取り残される事を知りながらも躊躇なく石を破壊するなど、メンタルが強すぎるのがちょっとだけ違和感がありましたが、全12話の作品なのでそこら辺は尺の都合なのかなぁと思います。

そして終盤では主人公の攻撃で肉体が退化し、赤ん坊に戻った佐河を止界の中で育てるという展開は、中々他のアニメでは中々見れないユニークな描写で面白かったです。

ラストは石を破壊したせいで止界から出れなくなった主人公が、偶然止界と現実世界を行き来できる人物に出会ってハッピーエンドというのはちょっと無理矢理に感じましたが、そういった部分含めてこの作品のもつ一種の緩さが表現されているようで良かったです。

ちょっと変わったアニメが見たい方は是非ご視聴下さい。

刻刻
永遠の“6時59分”が始まる-佑河家に代々伝わる止界術止界術を使うと、森羅万象が止まった“止界”に入る事が出来る。ある日、主人公樹里の甥と兄が、誘拐犯にさらわれてしまう。救出の為にやむを得ず“止界術”を使うが、そこにいるはずのない自分以外の...

コメント

タイトルとURLをコピーしました