【マンガ感想】未だ未完の作品 リリカルなのは Force

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魔法戦記リリカルなのは Forceは、2009年に「娘TYPE」にて連載が開始されていたリリカルなのはシリーズと同じ世界を舞台にした作品です。

今回はその感想を書きたいと思います。

リリカルなのはシリーズとしては少し異色の作品?

本作はアニメ版第3期として放映された「魔法少女リリカルなのはStrikerS」以後の時代を舞台にした作品であり、その世界で起きる様々な事件と関わる形で物語が進んでいきます。

主人公はなのはではなくトーマという少年であり、女性陣が主に描かれるリリカルなのはシリーズとは少し異なった内容の作品となっております。

この作品のキャッチコピーは「空戦魔導師高町なのは25才、不屈の魂(エース・オブ・エース)、いまだ健在。」という物ですが、内容としては主人公であるトーマを中心に進んでいく物語なので、なのはの活躍や出番が全く無いわけではありませんが、作品の主軸はあくまでもトーマとそれに関連するキャラクター達にあると言って良いでしょう。

エクリプスウィルス

本作の特徴として挙げられるのがこのエクリプスウィルスです。

これは感染者を強化する代わりに破壊衝動を引き起こさせるという物で、主人公であるトーマもこれに感染し、他の感染者やその技術を狙う者達との戦いに巻き込まれていきます。

このエクリプスウィルスは、それまで戦闘能力の無い者でも強大で様々な力を得ることが可能で、このお陰で本作はこれ以前のリリカルなのはシリーズの作品とは異なる能力バトル物的な要素も導入されております。

人が普通に死ぬ

アニメ版のリリカルなのはシリーズでは人が死んだり殺されるような描写は殆ど出てきませんが、本作ではエクリプスウィルスの適合者を探すという名目で罪の無い人々が惨殺されたり、実験体として酷い死に方をしたりと、結構殺伐とした描写が出てきます。

今出ている6巻時点では主要キャラが殺される様な事にはなっていませんが、少なくともモブやサブキャラの扱いの厳しさはシリーズ中でもトップクラスと言えるでしょう。

また、エクリプスウィルスの感染者は腕を欠損してもすぐに生やすことが可能で、時空管理局の人間は最新の設備と魔法で治療ができるという世界観なので、刃物が胸を貫通したり、腕が吹き飛ぶと言ったちょっぴりグロい描写も結構あります。

物語としては割と王道

まだ完結していない作品なので何とも言えませんが、主人公であるトーマは殺伐とした世界観でありながらも、過去に自分の家族などの大切な人を殺されたという経験から、どんな場合であっても人を殺したくないという信念を持っており、そんなトーマに助けられたり人柄に惹かれて彼と同行しているリリィとアイシスというヒロインが居たりと、割と少年漫画的な王道を行く作品であると思います。

トーマはその人の良さから、なのはやフェイトなどの時空管理局のメンバーや、自分と同じエクリプスウィルスの感染者であり、犯罪組織として活動している者達にも好かれる描写がされており、明確に敵と呼べるキャラクターがあまり居ないので、緊張感に欠ける部分が少し気になる所はありましたが、1巻から現在最後の巻となっている6巻までの間には特に違和感のある描写はありませんでした。

なぜ未だに未完なのか?

このように異色の作品である本作でもさほど違和感を感じさせない所に、リリカルなのはという世界観の懐の広さも感じさせてくれる部分もありますが、ここで気になるのが何故2019年の今になってもこの作品が完結せず、未だに長期休載の状態になっているのかという点です。

少し調べて見た所、この状況に至った大まかな過程は次のような流れのようです。

まず「娘TYPE」の2013年11月号にて、突如本作の長期休載の告知が掲載されます。

本作は4巻が発売された時点では累計部数100万部を突破しており、マンガとしては十分成功した部類の作品と言えます。

なのでこの長期休載の理由は商業的な物ではなく、一説では原作と脚本を担当されていた都築真紀氏が多忙であったことが理由であると推測されているようです。

今はサービスが終了してしまいましたが、当時は魔法少女リリカルなのはINNOCENTという、モバゲーで配信がされていたソーシャルゲームや、ほぼ同時期に「月刊コンプエース」で連載されていた魔法少女リリカルなのはViVidなど多くの関連作品を同時に抱える状況になっており、止む無くForceに回すリソースを削る判断に至ったというものです。

そしてもう一説は、Forceの今後の展開を考えるのが難しくなったという説です。

Forceは異色の作品ですので、この作品で広げた風呂敷を上手く畳まなければ、今後出す作品へ悪い影響を与えかねない為、ここは上手くシナリオが練れるまでは一旦話を進めるのを止めておこうという判断が下された、というものです。

実際、Forceが長期休載が発表されたすぐ後に、同じ「娘TYPE」上でForceと同じ都築真紀氏と緋賀ゆかり氏のタッグで、テレビアニメ版第一期となったなのはの幼少期を、劇場版・小説版・ドラマCDなどの全ての要素を加えて描いたORIGINAL CHRONICLE魔法少女リリカルなのはThe 1stという作品の連載が開始されましたので、この説の信憑性は個人的に割と高いと思います。

また、本作が長期休載するに至ったのは、作画を担当されていた緋賀ゆかり氏の何らかの発言のせいであるという意見も一部には見られましたが、緋賀ゆかり氏は自身のツイッター上で、休載の理由については知らされておらず、作品の進退に関われる立場では無い事を明言されており、この長期休載の是非を判断する意思決定には関わっていない事がわかっておりますので、これらの意見は正しくないと言えるでしょう。

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復活はあるのか

ともかく何らかの理由で長期休載状態となっていたForceですが、かつてForceが連載されていた「娘TYPE」自体も、価格上昇などによって2016年11月号からは月刊ではなく隔月刊になるなどの雑誌としての苦戦が続き、とうとう2018年1月号をもって、「娘TYPE」という雑誌自体が休刊となってしまいましたので、もしForceが復活するにしてもその際には新しい他の雑誌を探す必要があり、個人的に本作の復活は少し難しそうだなぁという印象です。

ですが、緋賀ゆかり氏はつい最近自身のツイッターとPixiv上にてForceの主人公とヒロインであるトーマ、アイシス、リリィの3人の絵を投稿されており、そのクオリティの高さやその絵に付いたコメントなどから、2019年の今でも多くの人が本作の復活を待ち望んでいることがわかりますので、どうにかして何らかの形で復活して貰いたいですね。

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個人的にフッケバインに助けられた後、やっと治療されて出番が増えそうだったのに、長期休載になってしまって現状では何も出来ていないロザリアが不憫です。

いつかこの話の続きを見れることを祈りたいと思います。

コメント

  1. 名無し より:

    何度も読み返しています。
    早く再開できるといいですね。

  2. 匿名 より:

    敢えて厳しく言うが、二度と出ない方が逆に幸せ。物語自体の起承転結自体がダメな上に
    原作者の善と悪に対する見方が余ってれてるせいでとても読めるもんじゃないから。

  3. 匿名 より:

    二度とこの世に出ない方が幸せだよ、物語自体が腐っててとても読めるもんじゃないから

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