洋ゲー風ピクミン?Okhlos: Omega 批評

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今回はSteamで発売されているアクションゲーム、Okhlos: Omegaの批評です。

内容はネタバレになってしまいますので続きに書きます。

日本語訳

このゲームは日本語に対応しております。

文章的に怪しい部分もなくほぼ完璧に翻訳されていますので、日本人のユーザーでも全く問題なくプレイできるでしょう。

概要

このゲームは神々の気まぐれで色んな災難にあってきた古代ギリシャの人々が、そんな神々に対して反乱を起こすゲームです。

プレイヤーは民衆を扇動する哲学者となって、神やそれを護衛する敵と戦闘を行っていきます。

このゲームは主人公個人には戦闘能力がなく、自分以外の仲間を指揮して戦う所謂ピクミンのようなゲームになっております。

操作方法もピクミンと同じような感じで、マウスカーソル(旗)の地点に住民が集まって来るようになっている為、敵を攻撃したければ敵の近くにマウスカーソルを持っていき、逆に敵から逃げたければ別の場所にマウスカーソルを持っていく事で回避を行うことができます。

また、左クリックで攻撃指示、右クリックで防御指示を出すことが可能で、敵や味方の状態に合わせて的確な指示を出すことが求められます。防御はタイミング良く行うとボーナスが付く為、非常に重要な要素となっております。

様々なジョブ

ピクミンと同じように、指揮する住民にも様々なジョブがあり、それらは戦士、守護者、市民、哲学者、奴隷、英雄、動物となっております。

戦士と守護者はそれぞれ攻撃と防御に特化したユニットで、市民は平均的なステータス、哲学者はプレイヤーの残機を増やす特性を持ち、奴隷はマップ上に落ちているアイテムの取得を可能にし、英雄は高いステータスと味方の強化や特殊能力を持ち、動物は士気を上げることができます(攻撃はできません)。

英雄はステージの合間合間に点在するショップで味方のユニットと交換することで仲間に加えることができ、その高い能力からゲームクリアには必須な存在であると言えるでしょう。

仲間に加える住民のジョブは、ショップで買う事以外では意図的に選ぶことはほぼ不可能ですので、場合によっては奴隷が足りなくなり、大量の有用なアイテムを取り逃してしまうことになりますので、ショップでの交換の際に奴隷を消費し過ぎないようにする事が重要に感じます。

仲間に出来る住民の数には上限があり、英雄の能力を使うことでそれを増加させることができます。

味方のテンションによって変化するゲーム性

このゲームでは味方が敵を倒した時、設置物を破壊した時、新しい仲間を得た時などに画面上部にある味方のテンションゲージが上ります。

そしてこのテンションがMAXになった時には、それまで破壊することができなかった家などの大型の設置物を破壊することが可能になり、味方の攻撃力なども増加するようになっています。

反対に味方のテンションが下がると徐々にプレイヤーの視界が操作キャラクターである哲学者を中心に狭くなっていき、テンションゲージが0になるとゲームオーバーとなってしまいます。

その為、このゲームでは常にテンションゲージを増加させる必要があるのですが、何もしていない時のテンションゲージの減少速度はそれほど速くない為、これはさほど気にする必要は無く、テンションゲージが0になってゲームオーバーになることは殆ど無いでしょう。

これはあくまでもプレイヤーを強化する為のシステムだと思われます。

ゲームオーバー前提の難易度

難易度についてはまず初回プレイでクリアすることはかなり難しいでしょう。

なぜならこのゲームはプレイを重ねていく毎に仲間に出来る住民の最大値の増加、プレイヤーキャラである哲学者に特殊能力を持ったキャラクターを使うことが出来る、最初から英雄を連れていけるようになるなど、プレイヤーを強化するボーナスが徐々に付いてきますので、少なくとも10回程度のゲームオーバーを経過しなければ敵とまともに渡り合えるだけの戦力を揃えることは難しいように思います。

良い点

建物や敵を破壊する暴徒を指揮する爽快感

テンションゲージがMAXになった状態で味方に攻撃指示を出しながら前進すると、味方がそこら中の敵や破壊可能なオブジェクトを怒涛の勢いで破壊しつつ進撃していきます。

これはかなり爽快感があり、他の無双ゲーなどとはまた違った魅力を感じることが出来るでしょう。

ユーモアなゲーム内容

英雄を仲間にする時や、敵のボスが出現した際にはそれらの解説が入るのですが、その際にこの英雄は映画では誰それが演じた、などの結構メタ的な視点や豆知識を含んでおり見るのが楽しいです。

中には名作映画「300」をネタにした物もあったりと、このゲームの古代ギリシャ愛が伝わってきます。

悪い点

操作性の悪さによるアクションの単調さ

このゲームの操作は至って単純ですが、それがこのゲームのアクションを単調にしてしまっています。

ピクミンなどではピクミンを種類ごとに分けて行動したりすることが出来るのですが、このゲームでは味方のジョブがそれぞれに分かれてはいるものの、敵と戦うときには全員を突撃させることになる為、敵によっては戦士だけを突撃させる、他の場所に味方を集団で待機させておいて、突っ込んできた敵を待ち伏せるというような操作はできません。

また、ダッシュ中は味方がバラバラになってしまうという仕様から、狭い場所に素早く入ることが難しく、数名がオブジェクトに引っかかって集団に戻れないというような事もありました。

ここはもう少し操作の幅を広くしてくれても良いのになぁと感じます。

敵の攻撃に対しての対応手段の少なさ

また、敵の攻撃を凌ぐ手段も乏しく、味方の足がとても遅いために回避はほぼ不可能で、殆どの場合を右クリックで使える防御に頼ることになります。

防御は敵の攻撃によるダメージを減らしたり、特殊能力から見を守ることが出来るのですが、敵が密集している状態だと敵の攻撃の予備動作が、手前側の敵で隠れて物理的に見えなくなってしまい、それに反応して防御をすることが出来なくなってしまう点と、そもそも敵の予備動作から攻撃までの間が短すぎて反応できない点があり、この防御によって攻撃を凌ぐという方法も取りづらい状況があります。

また、敵が大量に密集している場所ではそもそも敵の予備動作に反応できないという上記の点を踏まえた上で、敵の能力などが調整されていてくれれば良いのですが、中にはメデューサのようなこちらを石化させてかなり長い間行動不能にするような敵もいいるため反応できなかった場合の被害が凄まじく、少しゲームの難易度を理不尽な方向に高めてしまっているように思いました。

ミスをした際の立て直しが不可能なゲームバランス

味方が重要なこのゲームでは、何らかのミスで一気に味方の大半が失われてしまうと非常に危険な状態になってしまいます。

その際に仲間にできる民衆がマップ上にいてくれれば良いのですが、残念ながらマップに出現する民衆の数は有限である為、それらの民衆を使い切ってしまった上で味方を失ってしまうとその時点でもう対抗手段がありませんので、敵に突っ込んで自殺するしかありません。

常に数人の住民が湧いてくるような仕様であれば、敵から逃げ回りつつこちら側の体制を立て直す事が出来るのですが・・・。

この辺りは何度もゲームオーバーすることが前提のリプレイ性を高める仕様として敢えてこうしている部分もあるのでしょうがもう少しチャンスがあっても良いと思いました。

特にボスや一部の敵との戦闘では、その攻撃を一度でも防御しそこねるとその被害が甚大なので、そのままゲームオーバーになることも多いです。

まとめ

アクション ☆☆☆

ステージ上の建造物や敵を破壊しながらどんどん進む爽快感や、英雄の特性を使って有利にゲームを進められる部分などはとても良いのですが、もう少しそれ以外の戦略性を持たせて欲しかったです。

敵が誰だろうと関係なく全員を突撃させるだけというのはちょっと単調過ぎるかなと思います。

一応ステージのギミックや防御しなければ行けない敵を用意することでゲームに変化を持たせようとしている事は分かるのですが、それが逆に理不尽な難易度に繋がってしまっている部分もあるので、それらの対策も意図的に出来るようにして欲しかったです。

ストーリー ☆☆☆

神々を倒そうとするのにそのノリがかなり軽いところが愉快で良かったです。

所々に含まれている古代ギリシャ文明に絡めたギャグも面白く、英雄を発見した時の解説などもあって楽しくプレイすることができました。

音楽 ☆☆☆

ゲームの勢いに負けないようなはっきりとした音楽になっており、それ以外にも仲間の民衆がしゃべる声や、敵や建物を破壊した際の効果音、ステージをクリアした際に流れる音楽など、はっきりとした音声が無いこのゲームを賑やかな作品にしてくれています。

ドット絵のゲームは音楽や効果音が良いものが多いですが、このゲームのその一つと言えると思います。

品質 ☆☆☆☆

神話に出てくる怪物や英雄を表現したドット絵のクオリティの高さや、土煙や炎などの様々なエフェクトによって、チープになってしまいがちなドット絵の本作をとても派手に仕上げております。

目立ったバグも無く、不具合らしきものとしては味方が建物に引っかかって集団に戻ってこれない事がある程度なので、全体的に良くできていると思います。

総評点数 65/100

全体的に良くできたゲームですが、何度もゲームオーバーになることが前提の内容が人を選ぶように感じたのと、戦闘が単純な突撃しか無い事が少し不安でした。

ですが1280円という低価格である事を考えると、このゲームのクオリティはかなり高いほうだと思いますので、興味のある方は是非一度プレイして頂ければと思います。

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