【ゲーム感想】ソウルライク2Dドット絵アクションゲーム Dark Devotion

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今回はSteamやSwitchなどで販売されているゲーム「Dark Devotion」の感想を書いていきたいと思います。

内容はネタバレも含まれておりますのでまだプレイしていない方はご注意下さい。

Steam で 70% オフ:Dark Devotion
謎多き墜ちたる寺院の謎を探索し、神への称賛を表すためならばどのような犠牲をもいとわないDark Devotionの世界で、あなたの騎士としての覚悟が試されるでしょう。

概要

Dark DevotionはフランスのThe Arcade Crewというメーカーが作った2Dアクションゲームです。

主人公はテンプル騎士団の一人としてモンスターの蔓延るダンジョンと化した寺院に潜り様々な敵を倒し、寺院の謎を解明していきます。

マップがメトロイドヴァニア的なソウルライク

マップはスタート地点である拠点を中心に大きく分けて4つの階層に行くことができるデモンズソウル的な仕組みが採用されており、更にそれぞれの階層はメトロイドのマップの様な幾つかのフロアで構成される仕組みになっていて、プレイヤーはその中を敵を倒しながら進んで最深部を目指す事になります。

 

ノーミスで進む事が出来れば一気にクリアすることも可能ですが、実際には何度か死んでしまう事になるので全ての階層を踏破するには何度か失敗する事になりますが、ボスの手前などの難易度が高い様な所で死んでも即座に復帰できる様に拠点から飛べるチェックポイント代わりのポータルを開く事ができるなどプレイヤーに配慮された要素があるので、ソウル系にありがちなボス戦で死んだらまた多数のザコ敵を倒してボスの所まで行かなければいけない、と言う様な手間がかからないように配慮されております。

ただメトロイドヴァニア系と異なる部分は基本的に後戻りは不可能という点で、主人公が死ぬか特別なアイテムを使うかしなければ安全地帯である拠点まで戻ることは出来ませんし、前のエリアに戻って違う分岐に進んだり、アイテムを稼ぐと言った事も出来ません。

ダンジョンに持っていける装備やアイテムなどは限られる

ダンジョン内で発見した様々な装備は全て持っていけるわけではなく、基本的に武器なら最大2種類、アイテムは最大4種類までしか1度に持つことが出来ません。

ダンジョン内で取得した装備の中には拠点内の鍛冶屋に登録できるものがあり、それらの装備は拠点で装備することが可能となっております。

本作は一度死ぬと全ての武器とアイテムをロストして拠点に転送されるのですが、拠点内に居る鍛冶屋を使う事で登録された武器やアイテムを再装備してダンジョンに潜る事が出来ます。

戦闘はヒットアンドアウェイが基本

このゲームにはジャンプが存在せず、敵の攻撃は移動か緊急回避(前転)で避けるか、盾や武器によるガードで防ぐかの2択で捌いていく必要があります。

ソウルライクらしく攻撃や防御にはスタミナを消費する上に、このゲームには連撃を行ってくる敵が多い為、基本的にスタミナが厳しい防御ではなく、移動か緊急回避で避ける方法を多用することになります。

このゲームでは体力システムにゲージ性ではなくヒットポイント性が採用されており、更に素のヒットポイントもそれほど多くないので、回復アイテムを使わなければどんなザコ敵の攻撃だったとしても大体5回も当たれば瀕死或いは死亡してしまいます。

なので敵との戦闘は殴り合いではなく完全に敵の攻撃を避けて出来る限りノーダメージで終える必要がある為、一発攻撃を当てては緊急回避で離れ、また攻撃を当てては離れると言うヒットアンドアウェイ戦法が基本になってきます。

安全に回避する為には敵の攻撃の予備動作などに対応する反応速度が必要になってくるので、アクションゲームが初心者の方には少し厳しめの作品かと思われます。

また、攻撃手段としては近接武器である片手武器、両手武器と、飛び道具としての魔法書による魔法攻撃、弓の4種類があります。

キャラクターの強化手段

このゲームには攻撃力、素早さ、攻撃の命中率、クリティカルヒットの確率、スタミナの量などの基礎ステータスが存在します。

ソウルライク系の作品にありがちな消費アイテムを使ってのステータスの強化ですが、本作ではマップ上に配置されている石版に触れなければ基本ステータスの永続的な強化は出来ない仕様になっております。

その為、戦闘に重要なスタミナの量や攻撃力と言ったステータスは上昇率が限られていますので、少し強い敵が出てきた時に、レベルアップを繰り返す事によってステータスをガンガン上げてゴリ押し気味に突破するという手段は基本的には使えません。

本作の他のソウルライク系で言う所のレベルアップに近い要素としては、敵を倒した時に出てくる赤い結晶を集めて拠点内にある像に捧げる事で特殊なアビリティを取得することがそれに当たります。

これを用いる事で緊急回避の距離を増加させたり、攻撃の命中率や火力を増加させる事が出来ます。

他にはマップ上を探索して武器や防具を取得する手段もありますが、戦闘が劇的に有利になる様な物は殆ど有りませんので、基本的に戦闘はプレイヤースキルにかなり依存した作品であると思います。

祝福と呪い

本作が明確に他のソウルライク系作品と一線を画する点は祝福と呪いというバフ/デバフのシステムが取り入れられている所です。

祝福は神からの報酬であったり、敵の攻撃に慣れたと言った理由によってプレイヤーに施され、敵の攻撃を1回無効化してくれるシールドが付与されたり、敵への攻撃の命中率が増加すると言ったバフがランダムで付きます。

逆に呪いはアイテムによる呪縛や何らかの病気と言った理由で付与され、防具の耐久力が減少したり、消費されたスタミナの回復速度が減少したりといったデバフが発生します。

基本的にこれらのバフやデバフは、特定の人物に話しかけたり、トラップに引っかかるなどした際に必ず発生する物と、ダンジョン内に足を踏み入れてから一定の確率でランダムに発生する物の2種類が存在します。

信仰

デモンズソウルなどでは敵を倒すことで経験値の代わりにソウルが手に入りますが、本作では敵を倒すと信仰が手に入ります。

これを消費することで、施錠されている扉や宝箱を開いたり、傷や病気を癒やしたりする事が出来ます。

また、魔法を唱える際にも一定数必要となります。

悪いと思った点

探索で見つけたアイテムが全て登録されない

本作には多数の面白い装備品やアイテムが存在するのですが、鍛冶屋に登録される物が限られているので気軽に使えない点に不満を感じました。

ダークソウルなどでは倉庫となる「底なしの木箱」を使うことで、探索によって入手したアイテムは全て後から任意のタイミングで装備したり使う事が出来ますが、本作ではその倉庫に当たる存在である鍛冶屋に全ての装備が登録されない為、強い装備を入手してもそれが登録可能な装備でなければ一度死ぬとロストしてしまい、もう一度拾うまで使うことが出来なくなってしまっております。

死んだらまた拠点からポータルを使ってダンジョン内の特定の位置から再出発するゲーム性ですので、強い装備があってももう一度入手しに行くには雑魚敵を倒したり、マップを遠回りしたりとかなりの手間と時間が掛かってしまって面倒ですし、それならわざわざリスクを負わずに登録されている装備で進んだ方が安全ですので、多数の装備が存在するにも関わらず、その魅力をプレイヤーが十分に感じることの出来ないゲーム性になってしまっていると感じました。

この仕様のせいで縛りプレイや一点特化装備などもやり辛くなっておりますので、出来れば全ての装備を鍛冶屋に登録する様にしてほしかったですね。

理不尽な効果の呪いがある

一定の確率や特定の行為によって発生する本作の祝福と呪いのシステム。

ゲームを面白くしたり、他作品との差別化要素としては良いと思うのですが、若干祝福よりも呪いの効果の方が強力な物が多く感じました。

中でも一定時間ごとに体力減少や、緊急回避を使用した際に一定の確率でダメージを受けたり、貴重なアイテムを落とす、スタミナの回復が遅れると言った呪いは、緊急回避を多様する本作のシステムと悪い意味で相性が良すぎて一度発動するとほぼ死亡が確定してしまう部分に理不尽を感じます。

基本的に呪いを無効化するためには像に信仰を捧げるか、或いは体力が減少する手術道具などを使わなければならず、無効化の手段が限られている上にリスクがあるのも辛く感じます。

出来れば呪いの効果はもう少しマイルドにしてほしかったです。

ボスの強さに結構な差がある

このゲームの要とも言えるボス戦ですが、各ボスの強さのバランスが若干悪い様に感じます。

あるボスは攻撃速度や範囲などが非情に優秀でその対応に苦慮するのに比べて、あるボスは攻撃が遅く更に単調で避けやすいので初見でも楽々勝利出来てしまったりと、その強さに格差を感じる事が多かったです。

また、これは全てのボスに言えますが、AIの仕様なのかそれともゲームを簡単にするためにわざとそうしているのかは分かりませんが、目の前に主人公がいるのに全く攻撃してこず直立不動状態になって攻撃を受け続けるというシュールな光景になる事が稀にあり、戦闘時の緊張感が削がれている様にも感じました。

戦闘方法にもう少し派手さや奥深さが欲しい

当たると致命傷になる敵の攻撃を避けてこちらの攻撃を当てるという、シューティングゲーム的な割とシビアな戦闘を体験できる本作ですが、ジャンプ不可、近接攻撃は3パターンのみ、基本は回避という要素によって、どの敵とどの武器で戦っててもあんまり違いを感じる事が出来ず単調に感じてしまう部分がありました。

本家のデモンズソウルや同じソウルライク系であるThe Surgeなどでは致命の一撃的な派手で迫力のあるアクションが取り入れられておりましたが、本作ではそういった物が存在しない事や、ジャンプが使えない事で躍動感のある戦闘が行えなかったりでかなり地味な戦闘になってしまいます。

個人的には魔法攻撃以外にも信仰を消費する事で必殺技的な攻撃が出来たり、武器を徐々に強化して派手な攻撃が出来るようにしてほしかったです。

良いと思った点

作り込まれたマップの雰囲気

ほぼ全ての物が2Dのドット絵で描かれるこのゲームの世界観は終始おどろおどろしい雰囲気を醸し出しており、敵キャラのデザインなども恐ろしい物や神々しい物まで表現の幅が広くどれも非情にクオリティが高いです。

主人公が入るダンジョンは寺院という設定ではありますが、その中身は城、地下牢、森林などの多くのバラエティがあり、新たなステージに入った時には雰囲気がガラリと変わるのでしっかりと新鮮さを感じることが出来ます。

スリリングな戦闘

本作の敵の強力な攻撃を躱しながら戦うというのは見た目は少し地味ではありますが、実際にプレイしている側としては敵の攻撃を躱す快感と、少しでも連続で当たれば死に直結する猛攻を切り抜けて敵を倒す達成感を得ることが出来ました。

敵の体力はかなり多いので何度も攻撃を当てる必要がありますが、なれてくるとかなり余裕を持ってノーミスで各ボスを撃破し続ける事も可能になり、自分の上達を感じることが出来るのも良い点だと思います。

まとめ

アクションやグラフィック完成度は悪くないのですが、必殺技やのめり込めるストーリー性など、もう一声なにか要素が欲しいと言う感覚がゲーム開始時からクリア後まで抜けない惜しいゲームという感じでした。

いちいちしゃがまなければアイテムを拾えない点や、アイテム同士が重なると拾いたいアイテムを中々拾えなかったり、レベルアップによって基本ステータスを任意のタイミングで増加出来なかったりと、少し不親切な部分も目立ちますし、オプションで弄れる設定の項目が少なかったり、上記した全ての装備品が鍛冶屋に登録されない件など、痒い所に手が届いていない印象を受けます。

もし続編があるとしたら、この辺りをもう少し煮詰めて、更に良いゲームにしてくれる事を期待したいです。

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