オーバーロード14 滅国の魔女 感想

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今回は丸山くがね先生の人気作品「オーバーロード」の最新刊である「オーバーロード14 滅国の魔女」を読みましたのでその感想です。

内容はネタバレを含みますのでまだ未読の方はご注意下さい。

ついにリ・エスティーゼ王国がほぼ完全に滅亡

サブタイトルの「滅国の」という部分にも表れていますが、今回の話はオーバーロードの初期から存在していた大規模な人間の国家、リ・エスティーゼ王国(以下:王国)が滅亡するまでの過程が描かれる話となっております。

この王国はアニメ版ではアインズ(鈴木悟)が冒険者として潜入していた国ですが、13巻までの間には王国の裏社会を牛耳っていた「八本指」という組織をアインズ達が支配下に置いてその不正行為で得た利益を享受したり、王国と敵対する帝国に力を貸す名目で参加した戦争では万単位で王国の兵士を虐殺するなど、何かとアインズ達の行動の被害者的な存在となっていましたね。

冒頭部分ではそんな王国がついに滅亡する切っ掛けの事件として、アインズ達の作った国である魔導国の食料を積んだ馬車が貴族に襲われる過程が描かれていましたが、この馬車を襲った貴族はアインズ達が利用していた人間で、そして馬車もアインズ達が罠として用意していた物という、実際にはほぼマッチポンプ的な展開でしたが、これで国家が完全に滅亡する所まで行っちゃう訳で、ここら辺はまさに王国の被害者ポジションの極みと言った流れでした。

アインズ達に取ってもこの貴族の軽率さは予想外だったようですが、とにかくこの件が発端となってアインズ達の魔導国は王国に宣戦布告し、そこから王国滅亡までの怒涛の展開が続きます。

アインズ達の前に立ちふさがる新たな登場人物

個人的に今回読んでいて新鮮だったのは、アインズ達に一応武力で対抗できる人物がここに来て現れた事ですね。

1人はユグドラシル由来のパワースーツを持つ男「アズス・アインドラ」、そしてもう1人は竜王「ツァインドルクス=ヴァイシオン」でしたが、この2人は少なくともアインズの召喚するデスナイト以上の力を持ち、竜王の方に至ってはパンドラズアクターが変身したアインズとある程度戦える程度の力を有していました。

今までのアインズの敵と言えばデスナイトを倒すことすらほぼ無理なキャラクターが多い中この2人の存在は異質で、これは今後の展開にも大きく関わってきそうですね。

アズス・アインドラは凄腕の冒険者チーム「蒼の薔薇」のリーダーである「ラキュース・アルベイン・デイル・アインドラ」の叔父にあたる人物で、彼自身も「朱の雫」という名の冒険者チームのリーダーです。

そんな彼がどのような過程で、ユグドラシルのアイテムであるパワースーツを入手できたのか気になる所。

また、ツァインドルクス=ヴァイシオンは竜王という名前の通り竜の姿をしているのですが、ある程度自身の肉体を変化させることが出来る(?)ようで、アインズ達の前には白い鎧を纏った騎士の姿で現われました。(表紙でアインズに化けたパンドラズアクターに相対している白い騎士がその姿)

巻末のキャラクター紹介ページの記述によると、彼は過去にアインズのような転生者であるプレイヤーを殺したこともあるようで、高位の魔法を受けても倒れず、時間停止や即死系の魔法を無効化するなど、転生後の世界では恐らく最強クラスの強さを持っていると思われます。

個人的にはこの作品の最終決戦の相手は人間以外の種族を忌み嫌い、「六色聖典」という強大な戦闘集団を所有しているスレイン法国と思っていたのですが、今回の流れ的に竜王との戦闘も避けられないと思われるので、今後どんな展開になっていくのか楽しみです。

王国の生存者

今回アインズ達の虐殺によって、アインズの仲間であるシャルティアの襲撃から辛うじて生き残ったブレインや、王国の王子であるザナックなど、以前から登場していた王国関連の主要なキャラクターの多くが死んでしまいました。

個人的にはブレインやザナックは好きなキャラクターだったので、今回一矢報いる事も無く割とあっさり死んでしまったのはちょっと残念でした。

生存者も存在しており、現在分かっている範囲では「八本指」とその身内、王国の姫のラナー、ラナーの騎士のクライン、王国の貴族であるレエブン候とその身内、蒼の薔薇のメンバーなどが生き残っています。

また、あとがきの部分で作者の丸山くがね先生が、キャラクター名こそ明言していませんが「このキャラ達がこんな馬鹿な死に方をするか?」と思って書いている途中で死から逃れたキャラクター達が居る、と書いていましたが、これは多分ですが上記の生存者の内で、唯一アインズ達の支配下になる事なく死を逃れた蒼の薔薇のメンバーの事だと思われます。

他のメンバーが意地でもアインズ達と戦おうとしていたラキュースを気絶させて強引に逃げた事で死を免れた訳ですが、彼女が今後どんな行動をしていくのかも気になる所ですね。

残り3巻で完結

あとがきによりますとここからが本作のラストスパートという事で、残り3巻で完結する予定のようです。

次の巻の発売は2021年の初春らしく、また1年程の長い間が開いてしまいますが、これからクライマックスに向けてますます面白くなっていく本作を楽しみに待ちたいと思います。

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