2023年2月1日に行われたアップデート3.2にて、BF2042のゲームシステムがこれまでの様々なスキルを持つキャラクターの中から一人を選んでプレイするスペシャリスト制から、突撃兵・工兵・援護兵・斥候兵の4クラスからなる兵科制に変更されました。
今回はBF2042に入ったアップデート内容とそれに対する感想を書いていきます。
兵科制になった事での変更点
システムが兵科制になった事による大きな変化の一つは、兵士が所持できるガジェットが一つ増えた事です。
これまでのスペシャリスト制では、各スペシャリスト特有のガジェットと、任意に選択出来るガジェット1つの合計2つを装備する事が可能でした。
これが現在の兵科制では、各スペシャリスト特有のガジェットと、各兵科専用のガジェット2つの合計3つを装備する事ができるようになりました。
各兵科専用ガジェットの2つの内1つは以下の画像に示す様に特定のガジェットに固定されており、もう1つは数種類のガジェットの中から一つを選べます。
各兵科で使えるガジェットに制限が掛かった
以前のスペシャリスト制の頃は、一つしか好きなガジェットを持てない代わりに全てのガジェットが選択可能でしたが、兵科制になってからは各兵科の特徴に合わせたガジェットしか選択できなくなりました。
例えば、突撃兵で選択できるガジェットは、「スモークランチャー」「IBA装甲板」「C5爆薬」「M18クレイモア」の4つだけです。
この仕様変更により、幾つかのスペシャリストと相性の良い特定のガジェットによる強力な戦法が使えなくなりました。
例えば、以前はグラップリングフックを持つスペシャリストのマケイにリスポン地点を設置するガジェット「投入ビーコン」を装備させ、マケイ以外では上がってこれない様な屋上や高い位置の段差などに投入ビーコンを設置する戦法が強かったのですが、現在ではアプデによって突撃兵の枠組みに入れられたマケイでは投入ビーコンは装備できなくなったのでこの戦法は使えません。
他にもハッキングをする事で敵ビークルを一定時間無力化するラオに、ビークルに大きなダメージを与えられるバズーカを装備させる事で対ビークル性能が非常に高いキャラを作り出す事ができましたが、こちらの戦法もラオがバズーカを持てない斥候兵の枠組みに指定されてしまった為、現在では使用不可になっております。
使用できるメイン武器には制限なし
BF2042の兵科制とBFV以前の兵科制で大きく違う点は、各兵科が使用できるメイン武器に制限が無い事です。
例えばBFV以前のBFシリーズではスナイパーライフルは狙撃兵(リコン)のみが使用できるメイン武器でしたが、BF2042ではどの兵科でもスナイパーライフルを装備してメイン武器として使用する事が可能になっています。
ただ、突撃兵でアサルトライフルを装備した場合は他の兵科よりも多くのマガジンを持ち歩けたり、援護兵でサブマシンガンを装備した場合には武器の持ち替え速度が増加するなど、それぞれの兵科に適したメイン武器を使うことで恩恵を受けれる様になりました。
これにより兵科ごとに使用できる武器制限は掛けられていませんが、兵科に適した武器を使う事の恩恵は受けれる様になっています。
それぞれの役割分担がより重要になった
兵科ごとにガジェットに制限が掛かった事で個々のプレイヤーが一人で出来る事が減り、他のプレイヤーとの協力がより重要になりました。
今回のアップデートで大きく影響を受けたと思われる点は、マップの移動・対ビークル・補給・蘇生の4つです。
投入ビーコンの減少
BF2042のマップはこれまでのBFシリーズの物と比べてサイズが大きく、その移動には時間が掛かる傾向にありますが、以前のスペシャリスト制では設置した場所がリスポン位置になる投入ビーコンを誰でも持つ事が出来た為、分隊に大体一人はこの投入ビーコンを置いてくれるプレイヤーがいて、その御蔭で前線への移動が楽に行えました。
ですが現在は投入ビーコンは斥候兵専用のビーコンになったので、ゼインやマケイなどの突撃兵を使いたいプレイヤーが多い場合だと、投入ビーコンが不足して前線までの移動に時間が掛かる様になりました。
これは斥候兵として指定されているスペシャリストが、キャスパー・ラオ・パイクという、固有ガジェットや特性があまり攻撃に向いておらず、あまり人気の無いスペシャリストである影響が大きいと思われます。
対ビークル意識の差がより顕著に
以前の環境では、屋上に登って建物の影に隠れる戦車やヘリに射線を通しやすいマケイや、対ビークル用のグレネードを持てるサンダンス、敵ビークルをハッキングして一定時間無力化できるラオなどがバズーカを所持することが可能で、スペシャリストの特性や専用ガジェットを活かしてビークルに対抗できました。
しかし、現在の環境ではバズーカを持てるのが工兵(ボリス・リズ・クロフォード)のみになった為、以前の誰でもバズーカを持てる環境と比べるとビークル全般が長生きする様になっていると感じます。
ただ、今回のアップデートにより、遠距離までロックオン可能で撃てばほぼ確実にダメージを与えられる「ジャベリン」や、貼り付ける事で壁越しにバズーカでロックオンする事が可能になる弾を発射する「トレーサーダーツガン」が実装され、対ビークルの手段は以前と比べると増えています。
また、リズの専用ガジェットである「G-84 TGM」も、アップデートにより大幅に性能が強化されました。
その為、対ビークル意識のあるチームであれば以前よりも楽に相手のビークルを破壊する事が可能です。
一方、対ビークル意識が低く、工兵が少ないチームでは敵のビークルに殆ど対応出来ず、以前よりも早く勝負が決まる事も増えました。
弾薬箱不足
弾薬箱を援護兵しか持てなくなった為、以前と比べて戦場に置かれている弾薬箱の数が減った印象を受けました。
ただ、BF2042では銃弾については殆どの場合最初から豊富に持っており、敵を倒せば弾薬を落とす為、銃弾が弾切れになってしまう事は殆どありません。
しかし、バズーカは持てる弾数が少なく、多くのビークルを相手にするには補充が必要になる為、弾薬箱が少なくなると対ビークル戦に影響してきます。
AEDによる素早い蘇生
援護兵の専用ガジェットになったAEDにより、BFV以前の様な素早い蘇生が可能になりました。
使用感は一度使うと一定時間使用不可になる点以外はBF4のAEDとほぼ同じで、今までは足を数秒止めなければいけなかった蘇生が楽に行える様になり、個人的に一番嬉しい変更点です。
BF4の頃と同じ様に、前線で倒れた味方を蘇生しまくって強引に敵陣を突破する様なプレイも可能になり、戦闘における蘇生の重要性が更に増しました。
改修が行われたマップ「ブレイクアウェイ」について
今回のアップデートでは、南極を舞台にしたマップ「ブレイクアウェイ」の構造に変更が加えられました。
BF2042のマップは広い上に全体的に遮蔽物が少なく、移動に時間が掛かったり敵の攻撃から身を隠す場所が少ない事がプレイヤーからかなり不評だった為、現在のBF2042ではそうした問題点の多い初期マップについては遮蔽物を増やしたり、マップの移動可能範囲を狭める事で改善を図るアップデートが行われています。
そして今回のアップデートで改修されたブレイクアウェイは、BF2042のマップが指摘された前述の様な問題点を網羅した典型例とも言えるマップでした。
ですが改修後は全体的な遮蔽物と高所への移動にも使えるジップラインの増加に加えて、マップサイズ自体の縮小により、以前のブレイクアウェイと比べると移動や戦闘でのストレスが緩和され、格段に遊びやすいマップとなりました。
以下は64人コンクエと128人コンクエのマップの全体像と、実際のマップ上の風景です。
神マップか否かは人による部分があると思いますが、少なくとも以前の様なマラソンシュミレーターと揶揄される様な状況では無くなったと思います。
新武器・新ガジェットの追加
新武器
MTAR-21(アサルトライフル)
MTAR-21は連射力と威力の高いアサルトライフルですが、その代わりに中距離以降は弾が明らかにバラけているのが分かる程に精度が悪く、タップ撃ちをしても無視出来ない程の反動の大きさもあり、近距離戦以外では運用が難しい武器でした。
BF2042のマップは過去作と比べて広めに作られていますので、この環境で精度の悪いこの武器を使うのはかなり辛く感じました。
一方で至近距離でのTTKの速さは頼もしく、室内戦では少しだけ体を晒した敵でも一瞬で倒せるため、今後狭いマップが実装されれば驚異になる可能性があります。
しかしリロード速度はそれほど早く無く、他の武器に用意されている様な拡張マガジンも存在しないため、連戦に弱い欠点もあります。
PP-2000(サブマシンガン)
PP-2000は反動が少なく、基本的に中距離が苦手なサブマシンガンの中では比較的中遠距離の敵にも対応が可能な武器でした。
威力は低いですがマガジン段数が45発と多く、撃つ際にはしっかりとADSして胴上を狙っていけば複数の敵が出てきた際にも対応可能です。
ただ少しでも離れた位置にいる敵を狙う際には低い威力が足を引っ張って敵に逃げられてしまったり、至近距離では高いTTKを持つ一部の武器との相性が悪いなど、使いやすさの代償として突出した性能の無い武器になっている印象も受けました。
サブマシンガン枠の武器には既に装弾数が多く尚且つ威力もそれなりにあるPP-29や、圧倒的な連射力で高いTTKを叩き出すK30、総合的に高い性能を持つPBX-45などが存在する為、それらと比べると器用貧乏感のあるPP-2000はちょっと微妙に思えました。
E39 EMR(マークスマンライフル)
2023年2月6日現在ではバグで標準マズルとサプレッサーのダメージが逆に設定されてしまっているらしく、サプレッサーを付けた方が至近距離での威力が増加します。
E39 EMRは50メートル以内の至近距離ならヘッドショットすれば1撃、胴体に当てても2発で敵を倒せる程に威力が高く設定されていますが、その一方で弾速が遅く、反動は大きく設定されている為、使いこなすには慣れが必要な武器でもあります。
うまくハマればその高威力故の圧倒的なTTKにより、敵の反撃を許さずに一方的に倒す事が可能です。
遅い弾速と大きい反動に加えて、撃った弾丸がすぐに落下する為、中距離以遠での戦闘には向いておらず、マークスマンライフル枠の武器ではありますが、なるべく敵との距離を詰めて最大火力を出せる位置で戦うことが求められます。
近距離2発・ヘッドショット1発という部分だけを見ると圧倒的に強い武器に思えますが、実際は精度の悪さと弾速の遅さによりとても扱い難い為か、戦場でも使っている人はあまり多くない印象を受けました。
現状はバグ込みでこの性能ですので、修正内容次第ではダメージが下がって扱い難さだけが残り、非常に弱い武器になる可能性もある武器です。
追記:2月14日に適用されたアップデート3.2.1にて、標準バレルとサプレッサーのダメージが入れ替えられました。
新ガジェット
EODボット
地面に設置後、自分で操作する事が出来るリペアツールの付いた小型ロボット。
自身の体を危険に晒す事無く味方のビークルを修理する事が出来ますが、殆どの場合は敵兵や敵ビークルをリペアツールで攻撃する為に使われています。
EODボットはヒットボックスが小さくある程度のスピードあって小回りが効くため、結構弾を当てづらく、敵陣に突入させてもすぐには破壊されず敵の前線を混乱させる事ができる上に、スピードが乗っている際に敵兵に衝突するとロードキルも取れます。
ただ、地面のちょっとした出っ張りや段差に非常に弱く、地面が凸凹している屋外ではすぐにバランスを崩して真っ直ぐ進む事すら難しいので、使いこなすには慣れが必要です。
大量キルを取れる様なガジェットではありませんが、使い方次第で戦況を変える様な活躍が出来るかもしれません。
FGM-148 ジャベリン
敵ビークルをロックし、発射後は自動で敵ビークルまで飛んでいくバズーカ。
ロックさえすれば敵ビークルが動いていようと当たる上に、ロック可能距離も450mと非常に長く、従来の無反動M5と比べて遠距離の敵ビークルに対抗しやすいです。
一方で、ロックオンが完了するまではそれなりに時間が掛かる為、遮蔽物が多い場所では敵をロックするのに苦労しますし、発射できた際にもアクティブ防護システムなどで無効化される為、確実にダメージを与えられるわけではありません。
敵ビークルがガンガン突っ込んでくる場合は無反動M5、遠くから撃ってくる場合はジャベリンと、状況によって使い分けるのが効果的です。
また、味方の斥候兵が敵ビークルをロックしてくれている場合は、射程距離の長いジャベリンを使うのがオススメです。
M18クレイモア
地面に設置して使う対人地雷。
威力はそれなりにあり、敵兵が引っかかると大抵の場合一撃で死んでくれます。
また、他の作品に出てくるクレイモアは設置した前方にしかダメージ判定の無い物が多いですが、BF2042のクレイモアは爆発した際には円状にダメージが発生する為、見つけた際に後ろから破壊してもダメージを受けます。
しゃがみや伏せ状態で移動している敵には反応せず、梯子やジップラインの様な必ず通らなければいけない場所の近くには設置できず、更には一度に所持と設置が出来る数も1つだけなのでカバー出来る範囲も少なくなっているなど、他作品のクレイモアと比べると控えめな性能になっています。
正直もう少し所持弾数と最大設置数が増えてくれないと、他のガジェットを捨ててまでこれを持つメリットは薄いかなと個人的に思います。
T-UGS
地面に設置することで、周囲の敵をマップ上にスポットするガジェット。
効果範囲が結構広く、狭い拠点であれば中央に置くことで拠点内の殆どの敵を自動でマップ上にスポットしてくれます。
近接センサーとは異なり一度設置すれば自分が死ぬまで効果が続き、回収すればまた別の場所に設置が可能なので、現在は近接センサーよりもこちらを使っているプレイヤーを多く見かけます。
ただ、上下への効果範囲は30mと狭く設定されています。
これにより、例えば建物の1階に置いた場合、屋上の敵はスポットしてくれないので、室内戦で使用する時は注意が必要です。
トレーサーダーツガン
着弾した場所がバズーカでロックオン可能になる弾丸を発射するガジェットです。
弾丸の効果時間は40秒前後で、敵ビークルに撃ち込めばソフラムでスポットした時の様に効果時間終了までバズーカでのロックオンが可能になります。
真価を発揮するには味方工兵の協力が必要である為、味方の対ビークル意識が低い場合はほぼ無意味なガジェットとなります。
また、ロックオン可能な状態にした敵ビークルがダメージを受けても、このガジェットの持ち主には何のポイントも入らないので、敵ビークルに撃ち込んでもそれに味方がちゃんとバズーカを撃ち込んでくれているかは目視しないと分からない様になっています。
うまく味方との連携が取れれば、敵ビークルをほぼ無力化出来る非常に強力なガジェットです。
BFV以前の兵科制とは別物
実際に数時間程プレイした感想としましては、兵科制の復活によって以前よりも劇的にゲーム性が変わったのかと言われると、正直その辺りは微妙に感じます。
兵科制に移行した今でも、スペシャリスト特有のガジェットや個々の特性は以前と変わらない程の性能と存在感を有していますし、BF2042の兵科制では各兵科ごとに所持できる武器に制限もありません。
その為、今回のBF2042の兵科制はあくまでも従来のスペシャリスト制を前提に作られていたBF2042の延長線上にある物で、BFV以前の兵科制とはかなり異なる物であった為、BF2042がBFシリーズとしては色々な意味で異色の作品であるという事を再認識させてくれました。
マップやスペシャリスト制など、当初のシステムに大きな変更が加えられ、実験的な作品となりつつあるBF2042ですが、今後もどういった変化を見せてくれるのか楽しみです。
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